キャリアの軸｜はじめてのデザイナーの転職の心得②

はじめてのデザイナー転職の心得として、前回は【転職理由】についてお話していきましたが、続いては【キャリアの軸】についてです。

はじめての転職だと、
・他の会社を知らない
・どんなアピールが効果的なのかも分からない
・どう動いたらいいか分からない
というクリエイターさんも多いです。

そして、徐々に焦りが出てしまい、ただひたすら闇雲に数多く応募してしまう…という惨劇になりかねません。

ここで留意してほしいのは『数多く』が問題なのではなく、まるこさんのように『キャリアの軸を自分中心の考え方のまま転職活動を始めてしまう』ことが問題ということです。
なぜなら、運良く面接に進んだとしても『キャリアの軸』が自分本位だと採用側の意図も汲み取れず、的確なアピールができません。
それにいち早く気づき、しっかり修正をしておくことで、内定獲得までの道のりをグッと近づけることができます。

では、どんなことを準備して転職活動を始めたらいいでしょうか？
ここでは、私が2,000人以上ものクリエイターさんの転職相談をしてきた上で感じていることを書いていきますので、参考にしていただけますと嬉しいです。

過去・現在・未来の自分をイメージしましょう

まずは、今回の転職活動におけるご自身の【キャリアの軸】が何なのか？を自己分析しましょう。
『自己分析』と聞くと難しく聞こえてしまいますが、要はイマジネーションです。
ひたすらイマジネーションを繰り返せばいいのです。

具体的には、過去・現在・未来のフェーズで自分自身の姿をイメージします。
ここでポイントなのは、過去→現在→未来の順に振り返るのではなく、まず現在の姿からイメージすること。
なぜなら、今現在の自分が「転職したい」と考えているからです。

考え方：
■現在：転職理由（前回の記事を参照）
↓
■過去：もともとどんな期待を持って現在の会社に入ったのか？入社当時に期待していたことを振り返ってみましょう

現在と過去がまとまってから、
■未来：現在の転職課題を解決してどのように活躍していたいか？イメージしてみましょう
【キャリアの軸】：過去・現在・未来につながるキーワードをピックアップしてみましょう（例：スキルアップ、専門性を高める…etc）

それぞれ現在を起点として過去・未来もイメージできたら、その3つのフェーズに一貫性があるか？確認してみてください。
その一貫性が【キャリアの軸】となります。

もし一貫性がなければ、言葉の言い換えや違う方向性で再検討してみるなどしてみましょう。

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企業側はポジティブで未来志向な人材を求めている

過去・現在・未来について、イメージできましたでしょうか？
そして、その言葉は対外的にもポジティブに見えますでしょうか？

例として、現在の転職理由が「ハードワークのため働き方を見直したい」というまるこさんの事例を紹介します。

まるこさんの例：
■現在：ハードワークのため働き方を見直したい
↓
■過去：デザイナーとしてスキルアップしていずれADを目指したい

■未来：残業の少ないインハウスで働きたい

【キャリアの軸】：ワークライフバランス

一見、筋は通っているし問題ないように見えるかもしれませんが、主観が強過ぎる内容ですね。
この【キャリアの軸】を活用するのは、あくまで採用の場面です。
自分がただ感じたように軸を作っても、採用担当者からは仕事への熱意が感じられずネガティブに受け取ってしまい、「採用したい」と思われない場合もあります。

なぜなら、企業は、当然、モチベーションの高い人材を採用したいはずです。
そのため、「残業を減らしたい」というだけの主観的な志向が強い候補者には興味を示すはずがありません。

より説得力を高めるために、企業視点で言い換えてみましょう

では、どうすればいいか？
それは、自分の志向が明確になった後に、採用をする企業側の視点を取り入れることです。
企業側の視点を持って、自分の言葉を客観視するようにしてみるといいでしょう。

先程のまるこさんの軸について、企業側視点で言葉を修正してみると、こう表現することもできます。

企業視点を加えたまるこさんの例：
■現在：多数のクライアントを担当しているが、1つの企業に対しより深く理解しブランディングに関わっていきたいと思うようになった
↓
■過去：デザイナーとしてスキルアップしていずれADを目指したい（変更なし）

■未来：直接多数のクライアントと関わってきたことから、今後は自社のブランドを育てていきたくインハウスで活躍したい

【キャリアの軸】：今後は、より専門性を高め、ブランディングに強いデザイナーとしてスキルアップしたい

『ハードワーク』という一見ネガティブなキーワードを、より具体的に『多数のクライアントを担当し制作』として言い換え、且つ、インハウスに紐づけるため新たな方向性『ブランディング』を取り入れた形です。

そうすることにより、未来志向の言葉に言い換えることができ、ポジティブに映ります。
なぜなら、インハウスではブランディングが重要でありどの企業も意識しています。
そのため、【ブランディングへの興味関心が強いデザイナー】というポジティブなイメージがしやすくなります。

このように、転職活動においては、ネガティブになりがちな言葉を、いかにポジティブな表現に変換していけるか？がポイントになります！

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キャリアの方向性が定まっていない場合は、複数【キャリアの軸】を模索するのもあり！

ここまで、【キャリアの軸】についてお話をさせていただきました。
皆さんは、どのような軸ができあがりましたでしょうか？

ちなみに、【キャリアの軸】は無理に1つに絞ることはしなくて良いと思います。
なぜなら、はじめての転職であれば、今後自分がやりたいことが不透明な場合もありますので、想定し得る軸をいくつか用意しておくことをおすすめします。
そして、それらの軸にマッチする企業をいくつか見つけ出し、応募しながらどの軸が自分にピッタリなのか見極めていく、という方法もアリです！
そうすることで、自分の可能性を広げることの一助になるかもしれません。

また、このキャリアの軸は、面接に進んだ場合にも有効活用できます。
採用担当者からの質問は、今までのキャリアとこれからのキャリア展望に一貫性があるか？を細かくチェックするための質問がほとんどです。
そのため、予めイマジネーションを働かせて【キャリアの軸】を作っておけば、どんな質問にも動じずに答えることができるようになるはずです！

以上、今回はキャリアの軸についてお話させていただきました。
次回は、【志望動機の作り方】について、お送りします！

▶前回の【転職理由】記事はこちら

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